症状ブログ:不眠症(中間)

不眠症になりやすい人の特徴とは?

不眠症は、誰でもなりうる病気です。

その中でも特に次の様な性格や環境下にある方は、不眠症になりやすいと言われています。

性格的特徴

  • 心配しやすい性格
  • 不安になりやすい性格
  • 責任感が強い性格
  • 完璧主義な性格

環境的特徴

  • 日常的に緊張・ストレス状態が続いている
  • 両親にも睡眠障害が見られる(遺伝)
  • 騒音など、睡眠を妨げる環境が近くにある

女性の方が不眠症になりやすい

男性に比べると女性の方が2倍も不眠症になりやすいと言われています。

その理由は、生理や妊娠など女性特有の生理現象や、閉経による更年期障害などによってホルモンバランスが乱れやすく、それに伴い自律神経が乱れる可能性が男性に比べて高くなるためです。

不眠症の主な原因は自律神経の乱れ

誰にでもなりうる可能性がある不眠症の主な原因は自律神経の乱れにあることが多いです。

自律神経とは、私たちの命を維持するための体の調整を自動的に行なってくれている神経です。

例えば内臓は「心臓動け!」のように私たちが自分の意思で動かすことはできません。

体温の上昇や発汗なども自動的に行われます。

このように、私たちの生命を維持するために体のあらゆる臓器や機能を自動でコントロールしてくれているのが自律神経です。

自律神経には次の図のように活動している時に働く「交感神経」とリラックスしている時に働く「副交感神経」があり、これらがシーソーのように交互に切り替わることによって、健康を維持しています。

交感神経が働いていた場合、副交感神経が働いた場合で次のように各部位や体の機能の働きも変わってきます。

部位 交感神経が働く場合 副交感神経が働く場合
瞳孔 拡大 収縮
涙腺 涙の分泌を抑える 涙を生産する
唾液腺 唾液の量が少なくなる(濃度が上がる) 唾液の量が多くなる(濃度が下がる)
気管支が拡張 気管支が収縮
汗腺 汗の濃度が上がる 汗の濃度が下がる
冠動脈 収縮 拡大
心臓 心拍数が増加 心拍数が減少
血圧 上昇 下降
皮膚 収縮 拡張
副腎皮質 アドレナリン・ノルアドレナリンの分泌 特に無し
白血球 増加 減少
末梢血管 収縮 拡大
胃腸 あまり働かない 活発に働く
消化管 消化液の分泌を抑制する 消化液の分泌を促進する
肝臓 グリコーゲン分解を促進する 胆汁分泌を促進する
立毛筋 収縮(鳥肌が立つ) 緩む
陰茎 血管が収縮する(射精時) 血管が拡大する(勃起時)
子宮 収縮する 緩む
膀胱 排尿を抑制する(尿を貯める) 排尿を促進する(尿を出す)

しかし、この自律神経は、私たちの普段の生活の中で簡単に乱れてしまいます。

自律神経が普段の生活で乱れてしまう大きな原因は次の3つです。

  • 生活習慣の乱れ・・・夜更かしや昼夜逆転生活、深酒、喫煙、不摂生な食生活(暴飲暴食、過度なダイエット、栄養バランスを欠いた食事、深夜の食事など)
  • ストレス・・・精神的なストレス、肉体的ストレス、環境のストレス(住環境、仕事環境、家庭環境の大きな変化)、内的ストレス(性格や体質などによる心と体の変化)
  • 他の身体的、精神的疾患・・・病気、生理現象(月経、妊娠、閉経など)

特に現代人は「不規則な生活習慣」と「ストレス」に晒されやすく、自律神経の乱れによって不眠症の症状を発症してしまう人が増えてきているのです。

通常、睡眠と自律神経には密接な関係があり、睡眠を行う際にはリラックスする自律神経である「副交感神経」が働きます。

しかし、この「交換神経」と「副交感神経」の切り替えがうまく行われないことにより、睡眠時に「交換神経」が働いてしまうことがあります。

これが「自律神経の乱れ」と言われる現象です。

では、一体なぜ睡眠時に「交感神経」が働くことによって不眠の症状に繋がってきてしまうのでしょうか?

交感神経と不眠の関係性

自律神経が乱れ、睡眠時に交感神経が働いてしまった際には、体の中で次のような現象が発生します。

これが、睡眠時に「交感神経」が働くことで睡眠に及ぼす影響です。

  • 睡眠時にストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されてしまう
  • 睡眠時も体温が高いまま
  • メラトニンの分泌が不足してしまう

では、それぞれどのような現象なのか、その特徴をご紹介いたします。

睡眠時にストレスホルモンが分泌される

人間はストレスを感じると、そのストレスに対抗するために脳の視床下部のストレス中枢というところから「ストレスに対処しなさい」という命令が「副腎」という臓器に下されます。

命令を受けた「副腎皮質」は、コルチゾールと呼ばれるホルモンを多く分泌します。

コルチゾールはストレスホルモンの一種で、抗炎症や免疫抑制、血糖上昇などの作用があり、脳や体がストレスに対処できるように体を調節してくれる働きがあります。

コルチゾールが分泌されると、交感神経を刺激し、脈拍や血圧を上昇させます。つまり、ストレスから身を守るために体の運動機能を高め、脳を覚醒状態に変えてしまうのです。

つまり自立神経が乱れてしまうと、睡眠時に本来あまり分泌されないストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されてしまい、脳と体を覚醒状態へと導いてしまうことがあります。

これがいわゆる「眠れない」「寝たのに眠い」という不眠症の症状を引き起こしてしまうのです。

睡眠時も体温が高いまま

人間には朝起きて、日中に活動し、夜に就寝するという一定の生活リズムがあります。

この生活リズムと同じように人間の体温にも「朝は低く、日中に高くなり、夜は低くなる」という一定のリズムがあります。

例えば夜行性の動物などは、活動する夜に体温が低くなり、休息をとる朝から日中にかけて低くなります。

体温の変化と自立神経は密接に関係しており、交感神経が優位になると体温は上昇し、副交感神経が優位になると体温は下降します。

逆に体温が上昇すると、交感神経が優位になりやすく、体温が下降すると副交感神経が優位になりやすくなります。

自律神経が乱れていると、体温調節機能が衰え、睡眠時に体温がうまく下がり切らずに、ある程度体温が高い状態を維持してしまいます。

そのため交換神経が優位になってしまい、「眠れない」「寝ても寝ても眠い」という状況を作りだしてしまうのです。

メラトニンの分泌が不足

そもそも眠気というものは、睡眠ホルモンの一種である「メラトニン」が分泌されることで感じるものです。

通常、夕方から夜にかけて多くメラトニンが分泌されることで副交感神経が活発になり、心拍や体温、血圧が低くなり、最終的に睡眠にいたります。そして朝の太陽の光と反応してメラトニンが消え、起床するという仕組みです。

メラトニンの分泌は自律神経と密接な関係にあるため、自律神経が乱れてしまうと、このメラトニンがうまく分泌をされずに、うまく副交感神経を優位にすることができません。

そのため心拍や体温、血圧が高いままとなってしまい、脳や体が覚醒状態が睡眠時も続いてしまいます。

これが「寝付けない」「寝ても寝ても眠い」状態を作り出してしまうのです。

薬を使わずに不眠症を改善する一般的な方法

不眠の主な原因は自律神経の乱れであることが多いです。

そのため、薬を飲んでも治らなかったり、症状が出ているのにも関わらず病院で「異常なし」と診断される場合は、自律神経の乱れによって不眠に陥ってしまっていることが多くあります。

自律神経は、身体的、精神的な疾患や、薬や刺激物、別の睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)によっても乱れてきますが、ほとんどの場合は日頃の「生活習慣の乱れ」と「ストレス」によって乱れてきます。

そのため、薬を使わずとも、次の2点を改善していくことで、自律神経を整え、それが結果的に不眠症の改善につながっていくという考え方です。

  • 生活習慣を改善する
  • ストレス習慣を改善する

自律神経は、自分自身で意識的に働かせることができない神経なので、このような生活習慣の改善や日々のストレスの緩和、などからアプローチして改善していく必要があります。

【不眠症の改善方法1】生活習慣を改善する

生活習慣は大きく分けると「睡眠」「食事」「運動」と3つに分けることができます。

この3つの習慣を意識的に変えていくことで、日頃から自律神経が乱れにくい生活をすることが不眠症の改善につながってきます。

具体的には、「睡眠」「食事」「運動」と次のポイントを意識してできるところから整えていきましょう。

全て一気に守ろうとすると、無理が生じそれがストレスになってしまう可能性があるので、ご自身の生活スタイルでも抑えられるポイントをしっかりと抑え、実践するようにしましょう。

睡眠習慣を整えるポイント

  • 毎日同じ時間に起床し、就寝する
  • 涼しく(適温)、静かで暗い部屋で就寝する
  • 就寝直前に電子機器(スマートフォン、PCなど)を使わない、寝室に電子機器をできるだけ置かない
  • 就寝4〜6時間前に喫煙しない。
  • 毎日朝起きたら、朝日を浴びる(太陽の光によってメラトニンを消滅させることができるため、起床時間を体内時計に記憶させることができます)
  • 自分だけの睡眠導入習慣をつける(本を読む、音楽を聞く、瞑想など)
  • 寝不足だと感じた場合には、15分程度(20分を超えない)の仮眠を日中に取る
  • 「寝なければならない」と不安に思わない。眠れない時には一度起きて、まずは体中の緊張をほぐすことを意識しましょう。
  • 休日にだらだら寝過ぎない。
  • 就寝1時間前までに入浴を済ませる

食事習慣を整えるポイント

  • 就寝の2〜3時間前は食べ物や飲み物を口にしない
  • 就寝の4〜6時間前にカフェイン、アルコールを摂取しない(寝酒は睡眠の質を著しく下げますので、絶対にやめましょう)
  • 朝食を必ずとる
  • できる範囲で食事も毎日同じ時間に取るようにする
  • 糖質の摂取には要注意(甘いものを食べるとリラックスした気分になりますが、それは、血糖値が急激に上昇・下降したことにより交感神経が優位になり、体が覚醒し戦闘モードになるためです。自律神経を乱すきっかけにもなるので、糖質の摂取はほどほどにしましょう)
  • 過度の飲酒は避ける
  • インスタント食品とファーストフードをできる限り避ける(食品添加物は、体へのストレスに繋がり、それが自律神経の乱れに繋がってきます)
  • 大食いはやめる(腹八分目を心がける)

運動習慣を整えるポイント

  • 就寝の4時間前までに毎日運動をする習慣をつける(逆に2〜3時間前に運動してしまうと、ストレスホルモンが分泌され、覚醒状態になってしまうので眠れなくなるので注意)30分程度のウォーキングで良い。また意識的にゆっくり歩くと良い。

【不眠症の改善方法2】日々のストレスを緩和する

生活習慣の乱れと共に、自律神経に大きな影響を及ぼすのがストレスです。

ストレスと聞いてパッと思い浮かぶのが、残業や休日出勤などの仕事環境で感じるストレスや、上司や友人、知人との人間関係で感じるストレスだと思います。

しかし、実はその他のさまざまな現象によってもストレスは日々発生し、私たちに影響を及ぼしているのです。

ストレスは大きく分けて「内的要因によるストレス」と「外的要因によるストレス」に分類することができます。

それぞれ次のようなストレスが含まれます。

内的要因によるストレス ・個人が持って生まれた性格や体質、考え方などによるストレス(神経質、真面目、考えすぎるなど)
・病気や、けが、生理現象(月経、妊娠、閉経など)によって生じるストレス
外的要因によるストレス ・人間関係や生活する環境(仕事・家庭・学校)などから生じるストレス
・食品添加物や、飲酒、タバコなど化学物質が体を蝕むことによって生じる化学的ストレス

また、厚生労働省が行なった「平成28年 国民生活基礎調査」結果によれば、12歳以上の方について、日常生活でのストレスを感じている割合は、47.7%となっており、実に2人に1人の人が日常生活でのストレスを感じているという結果になっています。

【参考元:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」結果より- 参考元URL -】

このように、私たちは常にあらゆるストレスにさらされています。

そのため、このストレスをいかに日常生活の中で緩和していくのかが、自律神経を乱れをなおす上では特に重要になってきます。

ストレスを緩和する方法は人によっても違ったり、様々ですが、ここでは代表的なストレス緩和方法をご紹介いたします。

ご自身の好みに合わせて、それらを生活習慣の中で取り入れてみましょう。

好みの音楽を聞くということが大切ですが、一般的にα波を発生しやすく、リラックスできる音楽として知られているのが、以下です。

音楽を聞く

心地よい音楽には、α(アルファ)波というリラックスしている時に発生する脳波が増加する効果があることが知られています。(※参考までにストレスを感じている時にはβ波という脳波が出ています)

そのため、心地の良い音楽を鑑賞したり、自分自身で演奏することはストレスを緩和し、不眠症の症状の軽減する高い効果があると言われています。

また、ある論文によれば、自分の好みの音楽を聞いた時に「癒される」と感じる度合いが強くなるのだそうです。

そのため、一般的にα波を出しやすい「起床時」や「寝る前」「入浴時」などに自分自身が好きな曲を聞く習慣を作り、リラックスするなど、生活習慣の一つとして取り入れてみましょう。

好みの曲がないという方は、とある音楽誌の統計情報で、大半の方が「心が癒される」と回答した次のような曲を聞いて見ると良いでしょう。

また歌詞がある曲については、歌詞を頭で考えてしまうため、できる限り歌詞のない曲(インストゥルメンタル)が良いでしょう。

  • ピアノ協奏曲第26番二長調K.537「戴冠式」第2楽章(モーツァルト)
  • ジークフリート牧歌(ワーグナー)
  • ウォーターマーク(エンヤ)
  • 「アルルの女」第2組曲より第3曲「メヌエット」(ビゼー)
  • 「水の音楽」より「水色の幻想」(神山純一)

【参考元:藤田保健衛生大学「日本バイオミュージック学会誌(1998年)」】

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