自律神経の乱れが不眠症の原因に!眠れない不眠症の原因と改善方法

仕事や家事などで体が疲れているはずなのになかなか眠れない、寝つきが悪い、夜中に目が何度も醒めてしまう、寝ているのに寝た気がしないなど睡眠で悩む方は多いと思います。

それらの悩みに加えて次のような日中障害が1つ以上生じてしまうことを不眠症と呼びます。

  • 疲労または倦怠感
  • 注意力、集中力、記憶力の低下
  • 社会生活上あるいは職業生活上の支障、または学業低下
  • 気分が優れなかったり、いらいらする(気分障害または焦燥感)
  • 日中の眠気
  • やる気、気力、自発性の減退
  • 職場で、または運転中に、過失や事故を起こしやすい
  • 睡眠の損失に相応した緊張、頭痛、または胃腸症状が認められる
  • 睡眠について心配したり悩んだりする

【引用元:『米国睡眠医学会:睡眠障害国際分類 第2版』(医学書院)より】

不眠症は、仕事や家事などみなさんの生活に大きな影響を及ぼしてしまいかねません。

また、身体的にも精神的にも不眠症が続くことは辛いものです。

中には病院に行っても不眠症が改善されないという方や、睡眠導入剤のような睡眠薬がないと眠れない、など、ご自身でどう対処していけば良いのかがわからずに悩んでいる方もいらっしゃると思います。

実は、不眠症の主な原因は自律神経の乱れにあります(※もちろん他が原因の場合もあります)。

本記事では、自律神経が乱れることでなぜ不眠症に繋がるのか、その関係性や、自律神経の乱れを作り出している主な原因など、知っておきたい不眠症の基礎知識をご紹介いたします。

また、自律神経の乱れを改善し、不眠症の改善につなげていく方法についても詳しくご紹介いたします。

日本人の約5人に1人が不眠症を感じている

不眠症に悩む方は年々増加傾向にあるのが現状です。

厚生労働省が平成27年に20歳以上の成人に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の割合は、男性で37.4%、女性で41.2%となっています。

また、睡眠時間が6時間未満の方の内、ここ1ヶ月間で「日中、眠気を感じた」という方の割合は、男性で44.5%、女性で48.7%となっています。

つまり、不眠症を感じている方の割合は男性で全体の約16.6%、女性で約20.1%であり、おおよそ5人に1人が不眠症によって睡眠が十分でないと感じているということが分かります。

また、同調査報告によれば、「日中、眠気を感じた」だけではなく、他にも次のような睡眠の悩みが多くなっていることが分かります。

【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』を元に作成 – 参考元URL – 】

不眠症の症状の種類

一般的に「眠れない・寝付けない」などが不眠症だというイメージがありますが、実際には不眠症と言っても人によって様々な症状が見られ、次の4つの症状に分類されます。

20〜30代の不眠症は「眠れない・寝付けない」などの不眠症の症状が多い傾向にありますが、高齢になるにつれて「途中で起きてしまう」「予定よりも早く起きてしまう」などが多くなる傾向があります。

不眠症を改善するためには、自分がどの不眠症にあたるのか、アタリをつけておくことが大切です。

  • 入眠障害(寝付けない、寝つきが悪い、眠れないなど眠るまでに時間がかかる症状)
  • 熟眠障害(きちんと眠れているはずなのに、眠った感じがしない症状)
  • 早期覚醒(眠れるが、起きようとする時間よりも早く目が醒めてしまう症状)
  • 中途覚醒(眠れるが、途中で目が醒めてしまう症状)

では、それぞれどのような症状が見られ、どのような原因でおこるのかを詳しくご紹介していきます。

入眠障害

「眠るまでに時間がかかってしまう」という不眠症の症状を入眠障害と呼びます。

一般的に布団に入ってから入眠までに何分、何時間かかったら入眠障害かという明確な基準はありません。

いつもよりも眠るまでに時間がかかることが週に3回以上あり、かつ日常生活に障害がある場合には、入眠障害の疑いがある可能性が高いと言えます。ひどいケースになると朝まで眠れないこともあります。

次の日に眠気がくるのも辛いですが、何より仕事や家事をやらなきゃいけないのに眠れない、「寝なきゃいけない」という精神的な焦りによって精神的に非常に辛いのがこの入眠障害の特徴です。

厚生労働省が平成27年に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の中で男性で14.5%、女性で19.5%の方が「寝つき(布団に入ってから眠るまでに要する時間)に、いつもより時間がかかった」と回答しており、入眠障害を感じているようです。男性は20代に、女性は20代と50代以降に多い傾向が見られます。

【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』を元に作成 – 参考元URL – 】

熟眠障害

「ちゃんと寝ているはずなのに、眠った気がしない、眠気が取れない、寝ても寝ても眠い」という不眠症の症状を熟眠障害と呼びます。

一般的に、人間は眠ると次のように、体を休めるレム睡眠(浅い睡眠)と、脳を休めるノンレム睡眠(深い睡眠)を繰り返しながら、起床します。

しかし、熟眠障害の場合には、このノンレム睡眠が通常よりも浅くなるために脳が完全に休まらず、睡眠の質が悪くなり、「眠っているのに眠った気がしない」という感じてしまいます。

「眠っているのに眠った気がしない」かつ、「眠気がスッキリ取れていないために、風邪を引いている訳でもないのにどこか体がだるく、日中の仕事や家事などに支障がでてきくる」という場合には、熟眠障害の可能性が高くなります。

また、形上はちゃんと眠れているために、その原因が睡眠にあることに気づかず、ただ「寝起きが悪いだけ」と勘違いしてしまったり、そもそも気づかない場合が多いのもこの熟眠障害の特徴です。

厚生労働省が平成27年に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の中で男性で25.4%、女性で26.6%の方が「睡眠全体の質に満足できなかった」と回答しており、熟眠障害を感じているようです。男女共に20代〜50代に多い傾向が見られます。

【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』を元に作成 – 参考元URL – 】

早期覚醒

「起きようとする時刻よりもずっと早く目覚めてしまう」不眠症の症状を早期覚醒と呼びます。

高齢者に多くみられるのが特徴です。

また、ここで一つ注意したいことが、「早起き」は早期覚醒ではないということです。

よく「お年寄りは早起き」と言われますが、高齢者が毎日朝早く起きることは早期覚醒ではありません。

あくまで「本来眠るべき睡眠時間よりも短い時間で起きてしまい、日中に眠気が生じたり、日常生活に支障が出る場合」を早期覚醒と呼びます。

一般的に起きようとする時刻よりも2時間以上早く目覚めてしまい、かつそれ以降眠ることができないという症状が週に2日以上おきてしまう場合は、早期覚醒の可能性が高くなります。

厚生労働省が平成27年に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の中で男性で21.4%、女性で19.7%の方が「起きようとする時刻よりも早く目が覚め、それ以上眠れなかった」と回答しており、熟眠障害を感じているようです。高齢になるにつれて多くなる傾向があります。

【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』を元に作成 – 参考元URL – 】

中途覚醒

「途中で何度も目が覚めてしまう」不眠症の症状を中途覚醒と呼びます。

一般的に人間は眠ると次の図のように、体を休める浅い睡眠(レム睡眠)と脳を休める深い睡眠(ノンレム睡眠)を繰り返し、起床します。

しかし、中途覚醒の場合、通常浅い睡眠(レム睡眠)から深い睡眠(ノンレム睡眠)へと移り変わらずにそのまま目覚めてしまうために完全に体と脳の疲れが取れないままに、途中で目覚めてしまいます。

特に「何時間で目覚めたら」「夜中に何回目覚めたら」という明確な基準はありません。

途中で目覚めることが週3回以上続いており、かつ日中の眠気など生活に支障が出る場合には中途覚醒の可能性が高いと言えます。

厚生労働省が平成27年に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の中で男性で25.7%、女性で25.9%の方が「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」と回答しており、中途覚醒を感じているようです。高齢になるにつれて多くなる傾向があります。

【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』を元に作成 – 参考元URL – 】

程度による不眠症の種類

先ほどご紹介した様に、不眠症には「入眠障害」「熟眠障害」「早期覚醒」「中途覚醒」という4種類の症状が主に見られます。

これらの症状がどの程度で起きているかによって、不眠症は次の3つの種類に分けられます。

 

  • 一過性不眠症・・・数日程度不眠が続く
  • 急性不眠症(短期不眠症)・・・1〜3週間程度不眠が続く
  • 慢性不眠症(長期不眠症)・・・1ヶ月以上不眠が続く

一過性不眠症

「入眠障害」「熟眠障害」「早期覚醒」「中途障害」などがおよそ数日間程度続く状態のことを一過性不眠症と呼びます。主に睡眠環境が一時的に変わったり、一時的に強い精神的ストレスによって起こります。

睡眠環境が元に戻ったり、または慣れたり、強い精神的ストレスがなくなるとまた普段通りの通常の睡眠に戻るのが特徴です。

急性不眠症(短期不眠症)

強い精神的ストレスや、外傷、病気など生活習慣以外のことが原因で不眠が1〜3週間続く状態のことを急性不眠症と呼びます。

不眠症の主な原因は自律神経の乱れにあるため、生活習慣を改めることによって徐々に改善される場合が多いのですが、急性不眠症の場合には、病気などが原因であるため、それらが改善されない限り続くのが特徴です。

何か不眠以外に他に熱や咳など症状が見られる場合や、生活習慣を改善しているはずなのに不眠が続くという場合には、この急性不眠症の可能性が高いと言えます。

慢性不眠症(長期不眠症)

「入眠障害」や「熟眠障害」「早期覚醒」「中途障害」などがおよそ1ヶ月以上続く状態のことを慢性不眠症と呼びます。

慢性的なストレスや、長期的な病気が原因となって起こっているため、病院に行っても、薬を飲んでも改善されないという場合や、不眠が1ヶ月以上続いている場合にはこの慢性不眠症の可能性が高いと言えます。

不眠症になりやすい人の特徴とは?

不眠症は、誰でもなりうる病気です。

その中でも特に次の様な性格や環境下にある方は、不眠症になりやすいと言われています。

性格的特徴

  • 心配しやすい性格
  • 不安になりやすい性格
  • 責任感が強い性格
  • 完璧主義な性格

環境的特徴

  • 日常的に緊張・ストレス状態が続いている
  • 両親にも睡眠障害が見られる(遺伝)
  • 騒音など、睡眠を妨げる環境が近くにある

女性の方が不眠症になりやすい

男性に比べると女性の方が2倍も不眠症になりやすいと言われています。

その理由は、生理や妊娠など女性特有の生理現象や、閉経による更年期障害などによってホルモンバランスが乱れやすく、それに伴い自律神経が乱れる可能性が男性に比べて高くなるためです。

不眠症の主な原因は自律神経の乱れ

誰にでもなりうる可能性がある不眠症の主な原因は自律神経の乱れにあることが多いです。

自律神経とは、私たちの命を維持するための体の調整を自動的に行なってくれている神経です。

例えば内臓は「心臓動け!」のように私たちが自分の意思で動かすことはできません。

体温の上昇や発汗なども自動的に行われます。

このように、私たちの生命を維持するために体のあらゆる臓器や機能を自動でコントロールしてくれているのが自律神経です。

自律神経には次の図のように活動している時に働く「交感神経」とリラックスしている時に働く「副交感神経」があり、これらがシーソーのように交互に切り替わることによって、健康を維持しています。

交感神経が働いていた場合、副交感神経が働いた場合で次のように各部位や体の機能の働きも変わってきます。

部位 交感神経が働く場合 副交感神経が働く場合
瞳孔 拡大 収縮
涙腺 涙の分泌を抑える 涙を生産する
唾液腺 唾液の量が少なくなる(濃度が上がる) 唾液の量が多くなる(濃度が下がる)
気管支が拡張 気管支が収縮
汗腺 汗の濃度が上がる 汗の濃度が下がる
冠動脈 収縮 拡大
心臓 心拍数が増加 心拍数が減少
血圧 上昇 下降
皮膚 収縮 拡張
副腎皮質 アドレナリン・ノルアドレナリンの分泌 特に無し
白血球 増加 減少
末梢血管 収縮 拡大
胃腸 あまり働かない 活発に働く
消化管 消化液の分泌を抑制する 消化液の分泌を促進する
肝臓 グリコーゲン分解を促進する 胆汁分泌を促進する
立毛筋 収縮(鳥肌が立つ) 緩む
陰茎 血管が収縮する(射精時) 血管が拡大する(勃起時)
子宮 収縮する 緩む
膀胱 排尿を抑制する(尿を貯める) 排尿を促進する(尿を出す)

しかし、この自律神経は、私たちの普段の生活の中で簡単に乱れてしまいます。

自律神経が普段の生活で乱れてしまう大きな原因は次の3つです。

  • 生活習慣の乱れ・・・夜更かしや昼夜逆転生活、深酒、喫煙、不摂生な食生活(暴飲暴食、過度なダイエット、栄養バランスを欠いた食事、深夜の食事など)
  • ストレス・・・精神的なストレス、肉体的ストレス、環境のストレス(住環境、仕事環境、家庭環境の大きな変化)、内的ストレス(性格や体質などによる心と体の変化)
  • 他の身体的、精神的疾患・・・病気、生理現象(月経、妊娠、閉経など)

特に現代人は「不規則な生活習慣」と「ストレス」に晒されやすく、自律神経の乱れによって不眠症の症状を発症してしまう人が増えてきているのです。

通常、睡眠と自律神経には密接な関係があり、睡眠を行う際にはリラックスする自律神経である「副交感神経」が働きます。

しかし、この「交換神経」と「副交感神経」の切り替えがうまく行われないことにより、睡眠時に「交換神経」が働いてしまうことがあります。

これが「自律神経の乱れ」と言われる現象です。

では、一体なぜ睡眠時に「交感神経」が働くことによって不眠の症状に繋がってきてしまうのでしょうか?

交感神経と不眠の関係性

自律神経が乱れ、睡眠時に交感神経が働いてしまった際には、体の中で次のような現象が発生します。

これが、睡眠時に「交感神経」が働くことで睡眠に及ぼす影響です。

  • 睡眠時にストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されてしまう
  • 睡眠時も体温が高いまま
  • メラトニンの分泌が不足してしまう

では、それぞれどのような現象なのか、その特徴をご紹介いたします。

睡眠時にストレスホルモンが分泌される

人間はストレスを感じると、そのストレスに対抗するために脳の視床下部のストレス中枢というところから「ストレスに対処しなさい」という命令が「副腎」という臓器に下されます。

命令を受けた「副腎皮質」は、コルチゾールと呼ばれるホルモンを多く分泌します。

コルチゾールはストレスホルモンの一種で、抗炎症や免疫抑制、血糖上昇などの作用があり、脳や体がストレスに対処できるように体を調節してくれる働きがあります。

コルチゾールが分泌されると、交感神経を刺激し、脈拍や血圧を上昇させます。つまり、ストレスから身を守るために体の運動機能を高め、脳を覚醒状態に変えてしまうのです。

つまり自立神経が乱れてしまうと、睡眠時に本来あまり分泌されないストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されてしまい、脳と体を覚醒状態へと導いてしまうことがあります。

これがいわゆる「眠れない」「寝たのに眠い」という不眠症の症状を引き起こしてしまうのです。

睡眠時も体温が高いまま

人間には朝起きて、日中に活動し、夜に就寝するという一定の生活リズムがあります。

この生活リズムと同じように人間の体温にも「朝は低く、日中に高くなり、夜は低くなる」という一定のリズムがあります。

例えば夜行性の動物などは、活動する夜に体温が低くなり、休息をとる朝から日中にかけて低くなります。

体温の変化と自立神経は密接に関係しており、交感神経が優位になると体温は上昇し、副交感神経が優位になると体温は下降します。

逆に体温が上昇すると、交感神経が優位になりやすく、体温が下降すると副交感神経が優位になりやすくなります。

自律神経が乱れていると、体温調節機能が衰え、睡眠時に体温がうまく下がり切らずに、ある程度体温が高い状態を維持してしまいます。

そのため交換神経が優位になってしまい、「眠れない」「寝ても寝ても眠い」という状況を作りだしてしまうのです。

メラトニンの分泌が不足

そもそも眠気というものは、睡眠ホルモンの一種である「メラトニン」が分泌されることで感じるものです。

通常、夕方から夜にかけて多くメラトニンが分泌されることで副交感神経が活発になり、心拍や体温、血圧が低くなり、最終的に睡眠にいたります。そして朝の太陽の光と反応してメラトニンが消え、起床するという仕組みです。

メラトニンの分泌は自律神経と密接な関係にあるため、自律神経が乱れてしまうと、このメラトニンがうまく分泌をされずに、うまく副交感神経を優位にすることができません。

そのため心拍や体温、血圧が高いままとなってしまい、脳や体が覚醒状態が睡眠時も続いてしまいます。

これが「寝付けない」「寝ても寝ても眠い」状態を作り出してしまうのです。

薬を使わずに不眠症を改善する一般的な方法

不眠の主な原因は自律神経の乱れであることが多いです。

そのため、薬を飲んでも治らなかったり、症状が出ているのにも関わらず病院で「異常なし」と診断される場合は、自律神経の乱れによって不眠に陥ってしまっていることが多くあります。

自律神経は、身体的、精神的な疾患や、薬や刺激物、別の睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)によっても乱れてきますが、ほとんどの場合は日頃の「生活習慣の乱れ」と「ストレス」によって乱れてきます。

そのため、薬を使わずとも、次の2点を改善していくことで、自律神経を整え、それが結果的に不眠症の改善につながっていくという考え方です。

  • 生活習慣を改善する
  • ストレス習慣を改善する

自律神経は、自分自身で意識的に働かせることができない神経なので、このような生活習慣の改善や日々のストレスの緩和、などからアプローチして改善していく必要があります。

【不眠症の改善方法1】生活習慣を改善する

生活習慣は大きく分けると「睡眠」「食事」「運動」と3つに分けることができます。

この3つの習慣を意識的に変えていくことで、日頃から自律神経が乱れにくい生活をすることが不眠症の改善につながってきます。

具体的には、「睡眠」「食事」「運動」と次のポイントを意識してできるところから整えていきましょう。

全て一気に守ろうとすると、無理が生じそれがストレスになってしまう可能性があるので、ご自身の生活スタイルでも抑えられるポイントをしっかりと抑え、実践するようにしましょう。

睡眠習慣を整えるポイント

  • 毎日同じ時間に起床し、就寝する
  • 涼しく(適温)、静かで暗い部屋で就寝する
  • 就寝直前に電子機器(スマートフォン、PCなど)を使わない、寝室に電子機器をできるだけ置かない
  • 就寝4〜6時間前に喫煙しない。
  • 毎日朝起きたら、朝日を浴びる(太陽の光によってメラトニンを消滅させることができるため、起床時間を体内時計に記憶させることができます)
  • 自分だけの睡眠導入習慣をつける(本を読む、音楽を聞く、瞑想など)
  • 寝不足だと感じた場合には、15分程度(20分を超えない)の仮眠を日中に取る
  • 「寝なければならない」と不安に思わない。眠れない時には一度起きて、まずは体中の緊張をほぐすことを意識しましょう。
  • 休日にだらだら寝過ぎない。
  • 就寝1時間前までに入浴を済ませる

食事習慣を整えるポイント

  • 就寝の2〜3時間前は食べ物や飲み物を口にしない
  • 就寝の4〜6時間前にカフェイン、アルコールを摂取しない(寝酒は睡眠の質を著しく下げますので、絶対にやめましょう)
  • 朝食を必ずとる
  • できる範囲で食事も毎日同じ時間に取るようにする
  • 糖質の摂取には要注意(甘いものを食べるとリラックスした気分になりますが、それは、血糖値が急激に上昇・下降したことにより交感神経が優位になり、体が覚醒し戦闘モードになるためです。自律神経を乱すきっかけにもなるので、糖質の摂取はほどほどにしましょう)
  • 過度の飲酒は避ける
  • インスタント食品とファーストフードをできる限り避ける(食品添加物は、体へのストレスに繋がり、それが自律神経の乱れに繋がってきます)
  • 大食いはやめる(腹八分目を心がける)

運動習慣を整えるポイント

  • 就寝の4時間前までに毎日運動をする習慣をつける(逆に2〜3時間前に運動してしまうと、ストレスホルモンが分泌され、覚醒状態になってしまうので眠れなくなるので注意)30分程度のウォーキングで良い。また意識的にゆっくり歩くと良い。

【不眠症の改善方法2】日々のストレスを緩和する

生活習慣の乱れと共に、自律神経に大きな影響を及ぼすのがストレスです。

ストレスと聞いてパッと思い浮かぶのが、残業や休日出勤などの仕事環境で感じるストレスや、上司や友人、知人との人間関係で感じるストレスだと思います。

しかし、実はその他のさまざまな現象によってもストレスは日々発生し、私たちに影響を及ぼしているのです。

ストレスは大きく分けて「内的要因によるストレス」と「外的要因によるストレス」に分類することができます。

それぞれ次のようなストレスが含まれます。

内的要因によるストレス ・個人が持って生まれた性格や体質、考え方などによるストレス(神経質、真面目、考えすぎるなど)
・病気や、けが、生理現象(月経、妊娠、閉経など)によって生じるストレス
外的要因によるストレス ・人間関係や生活する環境(仕事・家庭・学校)などから生じるストレス
・食品添加物や、飲酒、タバコなど化学物質が体を蝕むことによって生じる化学的ストレス

また、厚生労働省が行なった「平成28年 国民生活基礎調査」結果によれば、12歳以上の方について、日常生活でのストレスを感じている割合は、47.7%となっており、実に2人に1人の人が日常生活でのストレスを感じているという結果になっています。

【参考元:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」結果より- 参考元URL -】

このように、私たちは常にあらゆるストレスにさらされています。

そのため、このストレスをいかに日常生活の中で緩和していくのかが、自律神経を乱れをなおす上では特に重要になってきます。

ストレスを緩和する方法は人によっても違ったり、様々ですが、ここでは代表的なストレス緩和方法をご紹介いたします。

ご自身の好みに合わせて、それらを生活習慣の中で取り入れてみましょう。

好みの音楽を聞くということが大切ですが、一般的にα波を発生しやすく、リラックスできる音楽として知られているのが、以下です。

音楽を聞く

心地よい音楽には、α(アルファ)波というリラックスしている時に発生する脳波が増加する効果があることが知られています。(※参考までにストレスを感じている時にはβ波という脳波が出ています)

そのため、心地の良い音楽を鑑賞したり、自分自身で演奏することはストレスを緩和し、不眠症の症状の軽減する高い効果があると言われています。

また、ある論文によれば、自分の好みの音楽を聞いた時に「癒される」と感じる度合いが強くなるのだそうです。

そのため、一般的にα波を出しやすい「起床時」や「寝る前」「入浴時」などに自分自身が好きな曲を聞く習慣を作り、リラックスするなど、生活習慣の一つとして取り入れてみましょう。

好みの曲がないという方は、とある音楽誌の統計情報で、大半の方が「心が癒される」と回答した次のような曲を聞いて見ると良いでしょう。

また歌詞がある曲については、歌詞を頭で考えてしまうため、できる限り歌詞のない曲(インストゥルメンタル)が良いでしょう。

  • ピアノ協奏曲第26番二長調K.537「戴冠式」第2楽章(モーツァルト)
  • ジークフリート牧歌(ワーグナー)
  • ウォーターマーク(エンヤ)
  • 「アルルの女」第2組曲より第3曲「メヌエット」(ビゼー)
  • 「水の音楽」より「水色の幻想」(神山純一)

【参考元:藤田保健衛生大学「日本バイオミュージック学会誌(1998年)」】

気分転換で心をリフレッシュする

余暇や終業後に気分転換をするのもストレス緩和には効果的です。

終業後にジムに行って汗を流したり、休みの日に友人と出かけたり、映画鑑賞や音楽鑑賞、公園に出かけたりなど自分の好きなことをやり、楽しむことが大切です。

心からリフレッシュすることによって、ストレスが緩和され、不眠症の症状が和らぐことが期待できます。

しかし、仕事の残務や、プレッシャーなどを考えてしまうと自分の好きなことをやっているはずなのに心の底から楽しめなかったり、それ自体がストレスと感じてしまう場合もあります。

不眠症になりやすい人の特徴として「真面目な人」「完璧主義者な人」などを前述しましたが、このような人は「オフ」の時にも仕事や家庭、学校のことを考えてしまい、心のそこからリフレッシュできていない場合が多いです。

気分転換で心をリフレッシュするために重要なのは「オン」と「オフ」の切り替えです。いかに仕事や学校、家庭のことを一旦忘れ、オフの状態に体を持っていけるかが大切です。

しかし、「オン」と「オフ」を切り替えることはなかなか難しいと言えます。

なぜなら、「オフ」の時も仕事のことを考えてしまうからです。

例えば「サザエさん症候群」と呼ばれる日曜7時になりサザエさんを見ると次の日の仕事を考えてしまい憂鬱になるという現象も、現代人がいかに「オン」と「オフ」の切り替えが下手なのかを象徴しています。

そのため、自分の頭で「オフ」とするのではなく、次のような行動からアプローチをすることで体を「オフ」の状態に持っていくと効果的です。

  • 会社や仕事との繋がりを切る・・・携帯電話やPCなどの電源を切る

アロマオイルを使用する

アロマオイルを使っていい香りを嗅ぐことにもストレスを解消する効果があります。(※逆に嫌な臭いを嗅ぐことはストレスになります)

なぜ、アロマオイルに脳や体をリラックスする効果があるのか、その理由はアロマオイルから出た香りの分子が鼻の奥の嗅神経にアクセスし、それを伝って脳の大脳辺縁系という部分に作用します。

そして脳のコントロール室である視床下部から自律神経系やホルモン系、免疫系と呼ばれる体全体の機能にアロマオイルに応じた働きかけを行います。これにより脳や体がリラックスするという訳なのです。

市販のアロマオイルでも、睡眠に良いアロマオイルなどが多数販売されているので、それを使用して、寝る前や入浴時に脳と体をリラックスさせる習慣をつけてみても良いと思います。

実際に睡眠に良いとされるアロマオイルは以下になります。

一般的にはリラックス効果や睡眠に良いアロマオイルはラベンダーと言われています。

  • ネロリ
  • プチグレン
  • マージョラム
  • マンダリン
  • マートル
  • ラベンダー
  • ラベンサラ

ストレッチで緊張した体をほぐす

ストレスは体の筋肉の緊張にも繋がります。

ストレスを受けた体は、極度の緊張状態となり、無意識に体に力が入ってしまいます。

そのために、血流やリンパ液の流れが悪くなり筋肉が凝り固まってきてしまいます。

そのため、毎日ストレスによって凝り固まってしまった筋肉を緩めてあげることもストレス解消に有効です。

適度な運動でリフレッシュする

運動をすることにより、体温が上昇することで硬直していた筋肉が緩むだけではなく、入浴と同様に気分がリフレッシュし、ストレスを軽減する効果が見込めます。

また、逆に運動不足になってしまうと血行が悪くなり、血液中に疲労物質である乳酸がたまりやすくなります。

この乳酸が交換神経を優位にし、睡眠を妨げてしまいます。

アスリートのような過度な運動は逆にストレスをかけてしまう可能性があるので控えた方が良いですが、毎日30分程度のウォーキングなど適度な運動を行うことで日々のストレスを緩和させる効果が期待できます。

何をすればいいかわからない方は、意識的にゆっくりと歩く30分程度のウォーキングがおすすめです。

ツボ押しマッサージで体をリフレッシュする

東洋医学では、人の体には「気」と呼ばれる人間が生きるためのエネルギーが流れる「経絡(けいらく)」が全身に張り巡らされていると考えられています。

経絡の上にある「気」の出入り口のことを「ツボ」と呼んでいます。

人体に様々な異常があるとそれに対応した経絡の気の流れが滞り、ツボにコリや痛みとなって現れます。

このコリや痛みをもみほぐすことで、「気」の流れを改善し、体の異常を改善するのがいわゆるツボ押しマッサージの考え方です。

そのため、日々のストレスを解消するツボを刺激する習慣をつけるだけでも、脳と体の緊張をほぐし、リフレッシュさせることができます。

次のツボが体のリフレッシュにおすすめです。

失眠(しつみん)

失眠(しつみん)

脳の緊張をほぐすツボです。

かかとのツボなので、指でも良いですが、ボールペンの先やゴルフボールなどをグリグリ押し付けることで刺激するのが良いです。

百会(ひゃくえ)

百会(ひゃくえ)

頭の血行をよくし、脳の緊張をほぐすツボです。

力を入れすぎないように注意しましょう。

中指の腹をツボに当てて、右方向に10〜20回押しながら回していくと良いです。

神門(しんもん)

神門(しんもん)

緊張を解き、神経を鎮め、リラックスさせる際に有効なツボです。

手首を掴むように親指の腹で指圧するのが良いです。

骨があるため力を入れすぎないように注意。

労宮(ろうきゅう)

労宮(ろうきゅう)

緊張を解き、神経を鎮め、リラックスさせる際に有効なツボです。

親指の腹で手首の親指側に向かって力を加えると良いです。

ゴルフボールなどを転がしながら刺激しても良いです。

内関(ないかん)

内関(ないかん)

自律神経を整えてくれる腕のツボです。

手首を掴むように親指の腹で指圧するのが良い。

骨があるため力を入れすぎないように注意。

合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)

精神を落ち着かせる効果のあるツボです。

また、自律神経を整えてくれるツボとしても有名です。

親指の腹で30回ほど、気持ちいぐらいの強さで指圧すると良いです。

井穴(せいけつ)

井穴(せいけつ)

イライラや落ち込みを改善し、自律神経を整える効果のあるツボです。

親指で揉みほぐしましょう。

少し痛いぐらいがちょうど良いです。

指間穴(しかんけつ)

指間穴(しかんけつ)

イライラや落ち込みを改善し、自律神経を整える効果のあるツボです。

少し揉み、水かきの部分を指先に引っ張って離します。

これを指先が暖かくなるぐらいまで続けましょう。

入浴

近年シャワーだけで済ませてしまうという方も多いと思いますが、ストレスを緩和するためには湯船に浸かり体を温めることが重要です。

入浴を行うと、体温が上昇するため血行がよくなります。

それにより体の老廃物がうまく排出されるようになり、疲労が軽減されます。

また、入浴によって、入浴後に体温が徐々に下降し1時間程度で交換神経から副交感神経に切り替わることを促す効果も期待できるため、睡眠が取りやすい状態に体を持っていくことができます。

逆に長湯や熱いお湯は逆効果ですが、湯船に浸かることでストレスを緩和するだけではなく、自律神経の乱れを改善する効果もあるため、ぜひそういった習慣をつけてみると良いでしょう。

また、シャワーしかない場合には、定期的に近くの銭湯に行ったりするのも効果的です。

アロマオイルを組み合わせてアロマバスを楽しむのも効果的です。

呼吸法を活用する

自律神経は基本的に私たちが意識的に動かすことも止めることもできませんが、唯一自分の意思でコントロールできるのが「呼吸」です。

呼吸は基本的に吸ったり吐いたりを自動的に行いますが、意識的に止めることも可能です。

そのためこの呼吸によって自律神経にアプローチし、自律神経の乱れを整えることができます。

日々忙しい生活を送る現代人はどうしても浅い呼吸になってしまいがちです。

浅い呼吸は交感神経を優位にさせてしまうため、自律神経の乱れに繋がってきてしまいます。

そこで、1日に1回、呼吸に全意識を集中させ、交感神経を優位にさせてしまいがちな浅い呼吸を正す習慣を持つということもストレス緩和に有効です。

息を吸うと交換神経が、息を吐くと副交感神経が優位になるため、不眠に繋がってしまう交換神経を副交感神経に切り替える意味でも、吐くことに意識を集中するのがポイントになります。

具体的には次のような手順で行いましょう。

  1. 仰向けに寝る
  2. 体全体の力を抜く
  3. 息を3秒吸って、6秒かけてゆっくり吐く(複式呼吸で行うのがポイント)
  4. 1〜3を10回行う

それでも改善しない方におすすめの不眠症の改善・予防方法

中には、改善しようと色々試みたが、なかなか不眠の症状が改善しないという方もいます。

それでも改善しない方におすすめの方法が「お腹のコリほぐし」です。

東洋医学では、すべての病気は五臓(肝・心・脾・肺・腎)を中心として内臓に原因があると考えられています。

ストレスによって体が緊張し、体内の「気」「血」「水」の流れが悪くなると、自律神経が乱れ、自律神経がコントロールしていた内臓の不調に繋がってきます。

そしてこの内臓の不調こそが「寝付けない・眠れない」「寝ても寝ても眠い」「途中でなんども目覚めてしまう」など辛い不眠の症状へと繋がってくるのです。

この内臓の不調はお腹にコリや痛み、違和感として体に現れてきます。例えば「寝付けない・眠れない」「寝ても寝ても眠い」「途中でなんども目覚めてしまう」といった不眠の症状にはそれぞれ関連の深い臓器があります。

次の図のように、その臓器に関係する領域にコリや痛み、違和感として現れてくるのです。

 

このコリや痛み、違和感を解消することで、不眠症に関連が深い内臓の不調を改善し、自律神経を整え、不眠症の改善につなげていくのが「お腹のコリほぐし」です。

自律神経の乱れが主な原因である不眠症は、自律神経の乱れを整えることでしか改善することはできません。

先ほどご紹介した「ストレッチ」や「入浴」「睡眠導入剤」など一般的に言われている不眠対策やセルフケアはいわゆる根本的な原因である自律神経の乱れに直にアプローチするものではなく、自律神経が乱れるその原因を解消する「予防法」、または自律神経が乱れた結果もたらされた不眠という症状に対する「対症療法」にすぎず、自律神経の乱れに直接アプローチすることはできません。

自律神経の乱れを引き起こす原因である「生活習慣の乱れ」「ストレス」を解消することで間接的に自律神経の乱れを引き起こしにくくするのが「予防法」であり、自律神経が乱れた結果もたらされる症状を和らげるのが「対症療法」です。

どちらも直接自律神経の乱れにアプローチをしていないため、その方法をやめた途端に再発してしまうという悪循環を繰り返してしまいがちです。

自律神経の乱れに直接アプローチし、自律神経の乱れを整えることで不眠症の症状を根本的に改善していくことができるのが「お腹のコリほぐし」なのです。

  • 睡眠導入薬がないと眠れない
  • 病院に行っても特に異常はなく、不眠症を改善するためにはどうすれば良いかわからない
  • 整体や病院に行っても改善できず、どうすればいいかわからない
  • 原因不明の不眠症に悩まされている
  • ストレッチをしても、ホットミルクを飲んでも眠れない
  • 生活習慣を改善しても、なかなか眠れない

一般的に言われている不眠対策をやってはいるものの、不眠症が改善しないという方や病院や近くの整体に行っても原因がわからず、どう改善していけば良いかわからないという方は、「お腹のコリほぐし」で自律神経の乱れを直接改善していくことが、不眠症改善の一番の近道と言えます。

人によって同じ不眠症であっても、どの部分の臓器が関係しているのか、どの部分にコリが現れやすいかが違ってきます。

当院では、19年の臨床経験と、これまで約45,000人の施術経験から見出した、あなた独自のコリを探し出し、「お腹のコリほぐし」が行える関東圏内でも数少ない治療院です。

不眠症で苦しんでいるという方はぜひ一度お問い合わせください。

19年で約45,000人の施術実績!あなたのお悩み改善を当院が全力でサポートいたします。

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